英文解釈の必要性
大学受験における英語学習で、英文解釈の重要性はたびたび語られます。しかし、「長文問題を解ければ十分では?」と思う人もいるかもしれません。実際には、英文解釈を学ぶことが長文読解だけでなく、英語全体の学力向上に直結しています。
そうした一方で、確かに英文解釈の学習がいらないケースがあることも事実です。今回のコラムでは、ケースバイケースであることを踏まえつつ、どういうケースに英文解釈が必要になるかを解説していきます。
結論
一部のケースを除き、英文解釈は必要です。
具体的には、早慶やMARCHといった私立大学や千葉大のような国立大学を狙う場合は、確実に必要です。
英文解釈が必要な理由を体感しよう!
次のような例文を見た時、あなたならどう意味をとりますか?
The boy saw the man with a telescope.
「少年は望遠鏡を持った男性を見た」と、考える方は多いのではないでしょうか。実は、それが正しい訳でありながら、もう一つ別の訳し方があります。
それは、「少年は望遠鏡を使って男性を見た」という訳です。これだけでも、かなり意味合いが違ってくることが体感していただけたかと思います。
では、今回のケースではどっちの訳が正しいでしょうか。実は、どこまで考えたとしても「前後の文脈によって変わる」という曖昧な答えにたどり着きます。英文解釈を学ぶことで、文の構造や修飾関係を的確に判断できるようになるため、こうした曖昧さに対処できるようになります。ここに英文解釈が必要である最も大きな理由があります。
今回の例文のような短い文章であってもガラッと印象が変わる文章があるくらいですから、これが入試問題のような長文であればあるほど、正しい解釈ができなければ本来の内容からどんどんズレていってしまう可能性があります。繰り返しになりますが、こうならないために英文解釈が必要になります!
長文を読めるようになるための橋渡しとして考える
英文解釈は、先述のように長文問題に向けた「中間ステップ」として非常に有効です。文法や単語を覚えたての段階でいきなり長文に取り組むと、文の構造を把握できずに挫折してしまうことが少なくありません。
しかし、適切なレベルの英文解釈の練習をすることで、少しずつ文量の多い文章にも慣れていき、長文に必要な集中力と読解力を身につけることができます。英文解釈を通じて、文章内の主語や動詞、修飾語の関係を正確に把握し、「文の骨組み」をつかむ力を養っていきましょう。
外部検定試験を踏まえた戦略として考える
大学受験で有利になる英検2級以上を取得するには、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能を総合的に鍛える必要があります。英文解釈を学ぶことで、リーディングでは長文の構造を正確に把握し、効率的に情報を読み取れるようになります。例えば、関係代名詞や分詞構文を含む複雑な文でも、主語・述語・修飾語の関係を整理する力が付くため、ミスリードを防ぎ得点力を高められます。
また、英文解釈で身につく力は他の技能にも関連します。リスニングでは、聞き取った情報を構造的に整理しやすくなり、スピーキングでは適切な語順と文法で発話する力が向上します。また、ライティングでは、文法的に正確で意味が通る文章を組み立てる力を養えます。
英検2級以上の合格は大学受験でのアドバンテージだけでなく、英語を使う実践的な力の向上にもつながります。そのため、英文解釈を学ぶことは英検対策においても非常に有効であり、長期的な学習投資として価値の高い取り組みです。
英文解釈が不要なケース
以下のケースでは英文解釈が必ずしも必要にはなりません。
- 英語の入試問題の難易度が比較的易しい
身も蓋もない話ですが、単語・熟語の知識量でゴリ押せるレベルの長文であれば英文解釈は必要ありません。
志望校や学部学科のレベルにもよりますが、いわゆる日東駒専クラス以上のレベル感であれば英文解釈は出来た方がよいです。より確実に合格を勝ち取ることができます。
まとめ
英文解釈は単なる勉強ステップではなく、長文読解への土台を築くプロセスです。以下にメリットをまとめました。
- 正確な文章理解力の向上
文の構造を把握し、複雑な文章でも主語・述語・修飾語の関係を正確に捉えられる。
- 長文読解の基盤づくり
短めの文章から始めて読解力を鍛えることで、長文問題にも対応できる力が身につく。
- 4技能への応用
リスニングやスピーキングで文法的に正しい理解と発話が可能になり、ライティングでも論理的な英文を作成できる。
- 試験対応力の向上
英検や大学入試で要求される英語の対応力を備え、得点アップに直結する。
本当に必要な箇所だけを学習したい方へ
成田市近辺の高校生の話を聞いていると、英文解釈まで授業で指導している学校は少ない印象です。
今回ご紹介した英文解釈を身につけるにはしっかりとした基礎力の定着が大前提ですから、英語学習をすすめるにあたっては早い段階で基礎固めをおこないましょう。
大学受験では、基礎力の定着だけではなく、参考書の配分や志望校の対策といったひとりひとりに最適化した受験戦略が必要不可欠です。
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