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中央大学の新設学部がわかる!
これからの大学教育における文理融合の傾向が掴める!

中央大学が、2027年4月に多摩キャンパスに「スポーツ情報学部(仮称)」と「情報農学部(仮称)」という2つの画期的な新学部を開設する計画を進めていることをご存じでしょうか?

これまで人文・社会科学系が中心だった多摩キャンパスに、AI・データサイエンスを核とした理系の視点が本格的に導入されることで、中央大学は大きくその姿を変えようとしています

単なる学部の新設ではない!?

こうした学部の新設は、これからの社会で求められる「行動する知性」を備えた人材、すなわちSociety 5.0時代に活躍できる力を養成するという、大学の未来を見据えた壮大なビジョンの一環であると言います。
データ分析や文理融合といった学びが中心となるこれらの学部は、将来のキャリアを真剣に考える高校生にとって、新たな選択肢と可能性を提示しています。

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本コラムで紹介する「スポーツ情報学部」「情報農学部」は、本稿執筆時点(2025年6月)ではいずれも設置構想中の名称(仮称)です。
以降の本文では、読者の皆様の読みやすさを考慮し、「(仮称)」の表記を省略して表記します。

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摩キャンパスに誕生する「未来型」新学部とは?

今回注目するのは、名門・中央大学の大きな動きです。
中央大学は、来る2027年4月に主要拠点である多摩キャンパスに、全く新しい概念を持つ「スポーツ情報学部」と「情報農学部」の2学部を開設する予定であることを発表しました。

え、中央大学にスポーツ情報学部や情報農学部?

こう驚かれた方もいるかもしれません。それもそのはず、多摩キャンパスはこれまで、経済学部、商学部、文学部、総合政策学部、国際経営学部といった人文・社会科学系の学部が中心でした。
そこに、理系の学部が本格的に導入されるというのですから、これは中央大学にとって、そして日本の高等教育全体にとっても、非常に大きな転換点と言えるかもしれません。

データサイエンスによって情報を可視化し分析する未来の大学教育

中央大学がこの新学部開設を通して目指すのは、「次世代を拓く『行動する知性』を備えた人材養成」、具体的には「Society 5.0の時代に活躍できる知性と行動力を備えた人材育成」だと言います。
これは、大学が中長期事業計画「Chuo Vision 2025」や「Chuo Vision 2035」で掲げる、時代に柔軟に対応し、未来を切り拓くという強い意志の表れと言えるでしょう。

Society 5.0って?

Society 5.0は、日本の内閣府が提唱する未来社会の姿です。
AIやIoT技術で仮想空間と現実世界を融合させ、少子高齢化などの社会課題を解決します。
また、経済発展と両立させながら、誰もが快適に暮らせる人間中心の社会を目指します。

内閣府によるsociety_5.0のイメージ画像
出典:内閣府ホームページ

文系から文理融合の最先端拠点へ

これは、単に新しい分野を学ぶ場所が増えるだけでなく、大学全体として「学問領域のさらなる拡充と文理融合型教育の展開」を強力に推進していくというメッセージです。
これからの社会では、文系・理系といった従来の枠組みを超え、多様な知識を組み合わせて複雑な課題を解決できる力が求められます。

中央大学は、そのニーズに応えるべく多摩キャンパスを「新たな知の創出と社会との連携を担う拠点」として位置づけ、「開かれた中央大学」として、社会の未来を力強く切り拓く存在になることを目指していると言えます。

受験生にとっても意義深い変化

この変化は、大学受験を考える皆さんにとって、非常に重要な意味を持ちます。
なぜなら、大学側が求める人材像が、より多様な知識とスキルを組み合わせた「複合的な思考力」を持つ人材へとシフトしていることを示唆しているからです。

ポーツ情報学部の魅力

データサイエンスを用いてアスリートのパフォーマンスを分析・向上させるスポーツ科学

「スポーツ情報学部」が目指すのは、AI・データサイエンスの能力・技術とスポーツ領域に関する専門知識を駆使し、スポーツに関するデータを分析して本質的な課題を見抜き、その解決策を策定・実現できる人材です。
ウェルビーイングで持続可能な社会の構築に貢献できる、実践的な力が求められます。

この学部で特に注目すべきは、以下の2つの学びの特徴です。

1.データ重視の文理横断・融合教育

皆さんは「データサイエンティスト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
まさに、この学部では、課題発見力(ビジネス力)、情報科学の能力(データサイエンス)、そして社会でそれを実践・運用する力(データエンジニアリング)といった、データサイエンティストに不可欠な汎用的能力を、大学2年生までに習得するプログラムが組まれています。

そして、この能力をスポーツ領域で活用する「スポーツデータサイエンス」を軸に、文系・理系の枠を超えた学びを展開します。これにより、データから潜在的な課題を発見・解決し、新たな価値を生み出す「複合的思考力」が養われます。

2.AI・データサイエンス教育の重視

机上の学習だけでなく、実際にスポーツが行われている現場や、それをマネジメントする組織、データの活用が有効な組織と連携したプロジェクトベースの授業が充実しています。
学生は主体的に課題に挑戦し、その結果をデータに基づいて深く内省(振り返り)します。

そして、再挑戦を成功させるためのアイデアをAI・データサイエンスの学びを活かして創り出すという「経験学習」が重視されます。これにより、スポーツ関連分野だけでなく、AI・データサイエンスを用いた課題解決が求められるあらゆる社会分野で活躍できる「実践力」を持った人材が育つのです。

報農学部の魅力

情報技術を用いて、生産・経営・流通といった農業の全プロセスを統合的に管理する「情報農学」

「情報農学部」では、経済発展と環境保全の両立を念頭に置き、国際感覚と法的素養をベースに、農学に関する専門知識と情報科学をはじめとする最先端技術を組み合わせることで、「農」から連なる「食」「環境」分野で新たな価値を発見・創造し、持続可能な社会の実現に貢献できる人材を養成します。

この学部の学びの特徴は、以下の3点です。

1.実践科目による早期体験学習の重視

この学部では、なんと2年生から実際の農業現場などと連携した実践型の科目が設置されます。
これは「早期体験学習」と呼ばれ、実際の農業が抱える困難な問題に直面することで、学生自身が課題意識を持ち、3年生以降の専門的な学びに意欲と実践力を高めることを目的としています。

2.法と国際感覚で拓く農・食・環境

現代の農業は、日本国内の問題にとどまりません。地球規模の国際的な課題として、食糧問題や環境問題が深く関わっています。
この学部では、地域特性の理解に加え、法的な政策立案や解決の視点、そして従来の慣習にとらわれず新しい価値に挑戦する「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を、学びの根幹に置いています。
これにより、法や国際的な視野、そして不確実な状況でも困難に挑戦する精神を養う、文理横断・融合教育が展開されます。

3.早期キャリア教育を重視した教育

実践的な体験学習に加え、キャリア教育科目を必修化することで、早期から具体的なキャリアイメージを意識するよう促されます。特に、理系分野でのキャリア、そして理系女性人材のための早期キャリア教育に力を入れている点も注目です。
社会と密接につながりながら、自分の将来を具体的に描けるようになるための支援が手厚いと言えるでしょう。

学部が求める人物像と拓けるキャリア

ここまで2つの未来型新学部を紹介してきましたが、では、実際にどのような人が求められ、どのような未来が待っているのでしょうか。
両学部に共通する人物像と、それぞれの専門性を活かしたキャリアパスを見ていきましょう。

前提条件:文理の枠を越える

まず、両学部に共通して求められているのは、「高校の各教科・科目を幅広く学ぶ意識」です。

なぜこうした意識が求められるのでしょうか?それは、これからの複雑な社会課題が、数学の知識だけで、あるいは歴史の知識だけで解けるものではないからです。
「データ分析」という理系的アプローチと、「社会背景や人の心を理解する」という文系的アプローチ。それらの両輪があって初めて、物事の本質は見えてきます。

文理融合や複合的思考力を象徴する、多様な知識(歯車)を人々が協力して組み合わせている様子

「自分は文系だから数学は不要」「理系だから古典は関係ない」と考えるのではなく、すべての学びに繋がりを見出し、自分の知識のテリトリーを広げようとする姿勢
それが、新しい学びのスタートラインに立つための必須条件です。

では、共通の土台の上に、各学部はどのような個性を持った学生を求めているのでしょうか?Q&A形式で見ていきましょう。

Q. スポーツ情報学部が求めるのは、どんな高校生?

考えを巡らせる高校生

A1.データでスポーツを「探求」したい人

「スポーツが好き」なだけでは、この学部には不十分かもしれません。
大切なのは、「なぜ?」を突き詰める探究心です。

「なぜ、あのチームは重要な局面で勝てるのか?」「どうすれば、もっと効率的に練習できるのか?」その答えを、選手の勘や経験だけでなく、客観的なデータに基づいて論理的に解き明かしたい。そんな知的好奇心を持つ人が求められています。

A2. スポーツが持つ「力」で社会を元気にしたい人

大学は「ウェルビーイングな社会の実現を目指す態度」を求めています。
これは、例えば部活動の経験などを通して、スポーツが持つ教育的な価値や、地域を一体化させる力を実感した人には、大きなチャンスです。

その素晴らしい力を、トップアスリートだけでなく、子どもたちやお年寄りなど、社会全体に広げていく仕組みを考えたい。そんな視点を持つことが重要です。

Q. 情報農学部が求めるのは、どんな高校生?

「なぜ?」と考える高校生

A1.テクノロジーで、日本の農業の「未来」を創りたい人

「農業人口の減少」「耕作放棄地の増加」といった、ニュースで耳にする日本の農業が抱えるリアルな課題。
これらを「大変そうだ」で終わらせず、「自分の知識で解決できないか?」と考える“当事者意識”が求められます。

ドローンやAIといった最先端技術で、人手不足を補い、収穫量を最大化する。そんな新しい農業の姿を具体的に構想できる人が、この学部の主役です。

A2.「命の尊厳」と「社会のルール」に、真摯に向き合える人

大学が求める「ELSI(倫理的・法的・社会的課題)に向き合う態度」とは何でしょうか。
例えば、遺伝子組み換え作物は、食糧危機を救う可能性がある一方で、生態系への影響が懸念されます。

このように、科学技術の発展がもたらす光と影の両面を理解し、何が社会にとって本当に良いことなのかを粘り強く考えられる誠実さ。それが、食と環境の未来を担う人材に不可欠な資質です。

各学部の予想キャリアパス例

これらの学部で得られる「専門知識 × データ分析能力」は、これからの社会で圧倒的な強みとなります。
卒業後のキャリアは、もはや一つの業界に留まりません。

培った力を活かす、多様な業界のビジネスパーソン

スポーツ情報学部 卒業後のキャリア例

  • プロスポーツ球団の『戦術アナリスト』
    選手のパフォーマンスデータを分析し、監督の戦略立案を支える「チームの頭脳」として活躍。
  • 大手広告代理店の『スポーツマーケター』
    試合の観客動員数や視聴率データを分析し、新たなファンを獲得するための企画を立案する。
  • IT企業の『ヘルスケアアプリ開発者』
    スポーツ科学の知見を活かし、一般の人が楽しみながら健康になれるアプリやサービスを開発する。

情報農学部 卒業後のキャリア例

  • 総合商社の『食料資源担当』
    世界の気象データや需給データを予測し、日本の食卓に食料を安定的に届けるためのグローバルな仕組みを構築する。
  • 食品メーカーの『商品開発(R&D)』
    消費者データと農作物の生育データを掛け合わせ、健康志向の新しいヒット商品を生み出す。
  • 国家公務員(農林水産省など)の『政策立案担当』
    日本の農業が世界で勝ち抜くための、データに基づいた輸出戦略や国内の補助金政策などを立案する。

ぜ中央大学は文理融合を加速する?

中央大学が今回、多摩キャンパスに理系色の強い新学部を設置するという発表は、単なる学部新設以上の意味を持っています。これは、これからの社会で求められる人材像の変化、そしてそれに合わせた大学教育のあり方に対する、中央大学からの明確な回答なのです。

Society 5.0時代の到来と「行動する知性」の重要性

現代社会は、AI、IoT、ビッグデータといった情報技術が飛躍的に発展し、あらゆる産業や社会構造が変化する「Society 5.0」時代へと突入しています。このような時代には、特定の専門分野の知識だけでは解決できない複雑な課題が山積しています。

複雑なデータのネットワークに人間の手が触れている未来的なイメージ

例えば、スポーツの世界でデータ分析を行うには、統計学やプログラミングの知識(理系)だけでなく、選手の心理やチーム運営、ビジネス戦略(文系)といった多様な視点が必要です。また、農業の分野でも、ドローンやAIによる精密農業(理系)と、食の安全に関する法規制や国際的な流通(文系)の両方を理解しなければ、持続可能な発展は望めません。

中央大学が掲げる「行動する知性」とは、まさにこのような時代の要請に応えるものではないでしょうか。
知識をただ覚えるだけでなく、それを社会の課題解決のために活用し、実行できる能力。
そして、データに基づいた論理的な思考力と、多様な分野を横断する柔軟な発想力が、これからの時代を生き抜くために不可欠なのです。

験戦略の変化

意識改革の必要性

これまで「文系だから」「理系だから」と割り切って勉強してきた人も、これからはその垣根が曖昧になっていくことを意識すべきでしょう。
特に中央大学の新学部では、文理両方の素養を持つ学生を求めています。
現時点では一般入試への影響はそこまでない見込みですが、総合型選抜・学校推薦型選抜において、多角的な視点を持つことが評価される可能性が高まることを意味します。

データサイエンスへの関心の高まり

「スポーツ情報学部」でも「情報農学部」でも、AI・データサイエンスが学びの核となります。
これは、大学が求める人材像として、データ分析能力や情報リテラシーが今後ますます重要になるというトレンドを示しています。

直接的な受験科目でデータサイエンスが問われることは少ないかもしれませんが、論理的思考力や、データを用いた課題解決への関心を示すことは、面接や小論文などで大きなアドバンテージとなるでしょう。

経験学習とアントレプレナーシップへの注目

新学部では、実践的な学びや、困難に挑戦する精神(アントレプレナーシップ)が重視されます。
これは、学力試験だけでなく、主体性、多様性、協働性といった、いわゆる「非認知能力」も重視される傾向が強まることを示しています。

部活動やボランティア活動における「協働性」を象徴する、チームで手を重ね合わせる様子
部活動やボランティア活動で培われる「非認知能力」のイメージ

高校生活で部活動や探究活動、ボランティア活動などに積極的に取り組み、そこから得た学びや課題解決経験を言語化できる力は、今後、総合型選抜や学校推薦型選抜で特に有利に働く可能性があります。

とめ

中央大学の多摩キャンパスに開設される「スポーツ情報学部」と「情報農学部」は、大学がSociety 5.0時代を見据え、文理融合とデータサイエンスを核とした教育を強化していくという、非常に重要なメッセージを発しています。

これは、単に中央大学だけの話ではありません。日本の多くの大学が、これからの社会で活躍できる人材を育成するため、教育内容や選抜方法を変化させていく大きな潮流の一部だと考えられます。

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  1. 中央大学ホームページ – 2025年6月6日閲覧
    https://www.chuo-u.ac.jp/
  2. 『「スポーツ情報学部(仮称)」および「情報農学部(仮称)」 多摩キャンパスに2027年4月開設予定(設置構想中) ~学問領域のさらなる拡充と文理融合型教育の展開~』- 2025年6月6日閲覧
    https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2025/06/80562/
  3. 内閣府Society 5.0 – 2025年6月6日閲覧
    https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/