この記事を読むと!

世界で注目されているGRIT(やり抜く力)を具体的に知ることができます。
「頑張る」「モチベーション」という曖昧な言葉に惑わされなくなります!

世界で注目されている「GRIT(やり抜く力)」

大学受験、特に早慶・MARCH、千葉大といった難関大学への挑戦は、ゴールまでの道のりが長いマラソンのようなものです。
この長く険しい道のりを走り抜くために、学力と同じくらい、いや、時としてそれ以上に重要となるのが「GRIT(やり抜く力)」です。

本稿では、

  • GRITとは何か
  • なぜGRITが重要なのか
  • どうすればGRITを鍛えられるのか

といった項目について、科学的根拠に基づく視点から、その本質と戦略的な育成法を徹底解説します!

界で注目される「GRIT(やり抜く力)」とは?

GRIT(やり抜く力)の辞書での定義


この「GRIT」とは、ペンシルベニア大学の心理学者アンジェラ・ダックワース博士が提唱した概念で、「長期的な目標に向けた情熱粘り強さ」を指します。

  • 情熱(Passion)
    特定の目標に対する持続的な興味や関心、そして「これを達成したい!」という強い思いのこと。
  • 粘り強さ(Perseverance)
    目標に向かって、たとえ困難や挫折、あるいは単調な努力が続いたとしても、長期間にわたり着実に努力を継続していく力のこと。

これら2つが両輪となって、GRITは成り立っています。

皆さんが日頃使う「頑張る」という言葉がありますよね。その「頑張る」という行為が、具体的にどのような心理的要素で構成されているのかを深く掘り下げ、体系化したのがGRITと言えるでしょう。
ダックワース博士は、この心理的要素を構成する4つの重要な要素を挙げ、それぞれの頭文字をとってGRITと名付けました。

Guts(ガッツ/度胸)

困難な物事に果敢に立ち向かう勇気や、逆境に屈しない精神力を指します。
大学受験では、高い目標にも臆せず挑む勇気や、苦手科目から逃げずに向き合う精神力として現れます。
具体的には「今の成績では厳しいかもしれないが、あの大学に絶対行きたい」という強い意志がGuts(度胸)にあたります。

Resilience(レジリエンス/復元力)

失敗や挫折を経験しても、そこから立ち直り、諦めずに努力を継続する力を指します。
大学受験では、テストや模試の結果が悪くても、そこから学びを得て立ち直り、努力を継続できる力です。具体的には「今回はダメだったけど、次は必ず目標点を取る」という前向きな姿勢を指すのがResilience(復元力)です。

Initiative(イニシアチブ/自発性)

指示待ちではなく、自ら課題を見つけ、必要な学習計画を立てて実行する力です。
「この参考書が自分に合っているかもしれない」「この分野の演習がもっと必要だ」と主体的に判断し行動することがInitiative(自発性)に繋がります。

Tenacity(テナシティ/粘り強さ)

一度決めた目標に対して、最後まで諦めずにやり遂げようとする強い意志と粘り強さを指します。
誘惑に負けず、コツコツと日々の学習を継続することができる粘り強さがTenacity(粘り強さ)にあたります。

ぜ大学受験にGRIT(やり抜く力)が必要なのか?

考え込んでいる高校生

ここまで見ただけでは「根性論とは違うの?」と思われるかもしれません。
しかし、重要なのはGRITは先天的な力(いわゆる才能・地頭)とは異なる概念であるという点と、根性論と比較して再現性が高い点です。

ダックワース博士の研究ではGRITの高い人ほど、先天的な力に関わらず目標達成率が高いことが示されています。
つまり、才能以上に、この「やり抜く力」が長期的な成功の鍵を握るのです。

実はこれ、大学受験にもピッタリ当てはまるんです。

京都大学とベネッセコーポレーションの共同研究では、日本の高校生を対象にした調査で、GRITの構成要素の一つである「粘り強さ」が高い生徒ほど、大学受験模試の得点が高く、長期的に見ても成績が向上する傾向が認められました。

これは、長期間にわたる努力が不可欠な大学受験において、「粘り強くやり抜く」というGRITの側面が、学力向上に直結することを示しています。

言い換えれば、このGRITを意図的にサポートしてあげれば、地頭の良さに関わらず志望校合格の達成率を上げることができるということです。

GRIT(やり抜く力)は自由に鍛えられる!

鍛えられることを示す、力強いポーズの男性
まるで筋トレ!?

「自分は意志が弱いから無理かも…」と不安に思った人もいるかもしれません。
でも大丈夫です!最も重要なことは、GRITは生まれ持った才能ではなく、意識的な努力や経験によって鍛え、伸ばすことができるものなのです 。

実際に、GRITや関連する自己調整能力を育成するための教育プログラムが世界中で研究・実施され、その効果が報告されています。
これは、「自分は意志が弱いから…」と諦める必要はなく、誰でも「やり抜く力」を高めていける可能性があることを意味します。この認識が、学習への主体的な取り組みを促す第一歩となるのです。

GRITを戦略的に高める3つの方法

では、具体的にどのようにGRITを鍛えればよいのでしょうか。
ここでは、大学受験専門塾Vistudyが実際に採用し、科学的にも効果が示されている3つのアプローチを受験勉強への応用例と共に解説します。

①「成長型マインドセット」を育む

スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック博士が提唱する「マインドセット理論」は、GRIT育成の基盤です。
能力は固定されていると考える「固定型マインドセット」に対し、「成長型マインドセット」は、能力は努力や経験で成長すると考えます。

固定型マインドセットの例

  • 地頭が良くないからMARCHは無理
  • 努力しても無駄、どうせ成績は上がらない
  • 模試でE判定だから何も考えずに志望校を変える

固定型マインドセットは、自分の可能性を否定して、成長する芽を摘んでしまう考え方をします。

成長型マインドセットの例

  • 今はMARCHに届かなくても原因を分析して達成しよう
  • 成績が伸びないから、努力の方向性を見直してみよう
  • 模試でE判定だったけど、これを機に弱点を分析しよう
固定観念を打ち破り、目標達成を信じる成長型マインドセット

成長型マインドセットは、特に Resilience(復元力) を育む上で不可欠です。
失敗を『終わり』ではなく『学びの機会』と捉えることで、困難から立ち直り、再び挑戦する力が養われます。

また、『自分は成長できる』という信念は、Guts(度胸) を持って新しい目標や難しい課題に挑戦する勇気を与えてくれます。さらに、自分の努力が結果に繋がると信じることは、Tenacity(粘り強さ) を持って学習を継続する原動力となります。

Vistudyで実践している「成長型マインドセット」サポート

  • 毎週の面談で、生徒の気づきを必ずヒアリングしてInitiative(自発性)を育みます!
  • 学習データを分析して、ニガテ克服のTenacity(粘り強さ)を具体的にサポート!
  • どんな目標に対しても、目に見えるロードマップ(学習計画)を示し、Guts(度胸)を引き出します!

②『意図的な練習』で質の高い努力を!

次に重要なのが、『意図的な練習(Deliberate Practice)』と呼ばれる、質の高い学習法です。
心理学者アンダース・エリクソン博士が提唱した「意図的な練習」は、単に時間をかけるのではなく、質の高い具体的な努力を指します。
明確な目標を持ち、自分の課題を意識しながら集中して取り組む、いわば『目的意識を持った質の高い練習』のことです。

『意図的な練習』に集中して取り組む制服の高校生

意図的な練習(Deliberate Practice)の例

  • 具体的目標設定
    ただ「毎日3時間勉強」ではなく、「今日はこの単元の問題集を〇ページ完璧にする」など、具体的で測定可能な目標を立てる。
  • 誤答分析の徹底
    誤答は「なぜ間違えたか」を徹底分析し、完全に理解するまで追求する。
  • 集中力の維持
    誘惑(スマホやゲーム)を遠ざける、時間を区切るなど、学習中は目の前の課題に深く集中する環境を作る。

Vistudyで実践している「意図的な練習(Deliberate Practice)

  • 1日にすすめるページ数まで指定し、毎日に具体的な達成目標を設定!
  • 「なぜ間違えたか」をデータ化・分析し、克服までのResilience(復元力)をサポート!
  • 快適な自習室を用意し、集中できる環境づくりを徹底しています!

意図的な練習は、明確な目標設定と集中的な努力などを通して、Tenacity(粘り強さ) を直接的に鍛えます。困難な課題にも粘り強く取り組み、スキルを習得するまで継続する力を養います。

また、課題を分析し、自ら練習方法を工夫するプロセスは、Initiative(自発性) を高めることにも貢献します。

③明確な目的意識を設定する

明確な目的意識は、GRITの根幹である情熱を持続させ、特に Tenacity(粘り強さ を強力に下支えします。『何のために頑張るのか』が明確であればあるほど、困難な状況でも諦めずに努力を続けることができます。

明確な目的意識の象徴としての、青空と歴史ある大学の校舎

明確な目的意識の例

  • 将来像の具体化
    なぜその大学・学部に行きたいのか、将来何をしたいのかを具体的にイメージする。
    将来の目標から逆算して、今何をすべきかを自ら考えることは Initiative(自発性) を刺激します。
  • 学習と目標の接続
    日々の学習内容が、将来の夢や目標達成にどう繋がるかを意識する。
    「この知識は、将来の研究に役立つ」など。

Vistudyで実践している「明確な目的意識」のサポート

  • 少人数定員制を活かし、ひとりひとり密度の高い進路指導をおこないます!
  • 生徒本人の興味や適性を引き出し、Initiative(自発性)を引き出します!
  • 大学受験の先まで進路指導をし、学習と目標をボーダーレスに捉えるサポートをします!

とめ

本稿では、大学受験成功の鍵となる「GRIT(やり抜く力)」について、その本質と科学的な育成戦略を解説しました。

繰り返しお伝えしたいのは、GRITは誰でも後天的に鍛えられるという事実です。
「成長型マインドセット」「意図的な練習」「明確な目的意識」を日々の学習に取り入れ、実践することで、あなたのGRITは確実に向上します。

大学受験は厳しい道のりですが、それは自己成長の絶好の機会でもあります。受験を通じて培われたGRITは、合格はもちろん、その先の人生においても皆さんを支える貴重な財産となるでしょう!

学受験を科学で駆け抜けたい方へ!

GRIT(やり抜く力)を本気で鍛え、志望校合格を掴み取りたい受験生の皆さんへ。今回ご紹介した方法は、あくまで成功への一歩です。大学受験では、これに加えて参考書の配分や志望校対策など、一人ひとりに最適化された戦略が不可欠です。

大学受験専門塾Vistudyでは、少人数定員制を活かしたプロコーチが、あなたのGRIT育成と受験戦略を徹底サポート。成田市近辺で本気で大学受験を目指すなら、ぜひVistudyの無料カウンセリングにお越しください!

  1. アンジェラ・ダックワース (著), 神崎 朗子 (翻訳) 『GRIT やり抜く力』ダイヤモンド社
    GRITという概念の提唱者自身の著書であり、コラム全体の根幹となる最も重要な参考文献です。GRITの定義、構成要素、重要性、育成法について詳細に解説されています。
  2. キャロル・S・ドゥエック (著), 今西 康子 (翻訳) 『マインドセット「やればできる! 」の研究』草思社
    「成長型マインドセット」という、GRIT育成の重要な柱となる概念を提唱した研究者の著書です。
  3. 京都大学プレスリリース「「やり抜く力(グリット)」と学力の関連性を日本の高校生の大規模データで解明 -「情熱」よりも「努力の継続」が重要-」(2022年3月4日)
    日本の高校生を対象とした研究であり、GRIT(特に「努力の継続」という粘り強さの側面)と学力との関連性を示した研究です。