1分でわかる!文学部のいろいろ
この記事を読むと!

文学部の「学び・得られるスキル・進路」のすべてがわかります。
1分で概要をつかめるよう、やさしく解説しています!

「文学部って、結局何を学ぶの?就職に不利って聞くけど大丈夫?」そんな疑問を持っている高校生や保護者の方へ本コラムを執筆しました!

文学部は、人間の歴史や文化、思想、心理、社会など、人間に関わるあらゆることを深く探求する「人文科学」の中心に位置する学部です。よくいわれがちな「文学作品だけを学ぶ」学部ではありません。

どんなスキルが身につくの?

多様な専門分野があり、文献を読み解き、論理的に思考し、自分の言葉で表現する力、そして未知を探求する力が身につきます。
「文学部は就職に不利」と言われがちながらも、これらの力は実は現代社会で企業が求める汎用性の高いスキルそのものです。

卒業後の進路は?

卒業生は教育や出版だけでなく、IT、金融、メーカー、サービス業など、幅広い業界で活躍しています。文学部で培われる「考える力」と「学ぶ力」は、これからの時代を生き抜くための大きな武器になります!

ここまでが「1分でわかる!文学部のいろいろ」でした!
ここから下の本文では、成田市の大学受験専門塾Vistudyが、しっかりと解説していきます!

もそも文学部ってなに?

文学部とは?という疑問符を持つ、探求心を示す学生

大学の学部は、大きく分けて自然科学、社会科学、そして人文科学に分類されます。
文学部は、この中の人文科学を探求する中心的な学部です。人文科学とは、簡単に言えば「人間」がその長い歴史の中で築き上げてきた文化や、人間そのものの内面に迫る学問分野のこと。
文学部とよく似た名前に「人文学部」がありますが、どちらも人間と文化について深く学びます。

文学部が扱うテーマは、一般的にイメージされる「文学作品を読むこと」にとどまりません。
言語の仕組みや歴史、世界の国々や日本の過去の出来事、人間の心の働き、私たちが暮らす社会の成り立ち、哲学的な思想、そして美術や音楽といった芸術まで、人間に関わる森羅万象(すべてのもの)が研究対象となります。

これら多様な学問分野に共通しているのは、「人間って一体なんだろう?」「なぜこんな文化が生まれたんだろう?」といった、人間や社会に対する根源的な問いを深く追求することです。
文学部は、こうした問いへの答えを求めて、じっくりと時間をかけて探求を進める、知的な好奇心を満たすことができます。

学部では何を学べる?意外と多様な専門分野

多様な専門分野を示す様々な本や資料

文学部での学びは、非常に幅広く奥深いものです。入学すると、最初は人文科学の様々な分野に触れることで、幅広い教養を身につけます。そして、自分の興味や関心が見つかったら、2年次に特定の専門分野を選んで、より深く専門的な学びや研究に進んでいきます。大学によって専門分野の名称や内容は異なりますが、代表的な系統を紹介します。

文学・言語学系

日本文学、英文学、中国文学など、国内外の文学作品を、書かれた時代や文化、作者の考え方などを踏まえて深く読み解きます。作品を通して人間や社会への理解を深めます。
また、言語学では、言葉の構造や歴史、コミュニケーションにおける役割などを科学的に分析します。日本語を深く研究する分野はもちろん、外国語の習得にも力を入れる分野が多いです。

歴史学・地理学系

日本史、世界史はもちろん、特定のテーマに焦点を当てた歴史(例:文化史、経済史)、遺跡や遺物を研究する考古学などを学びます。図書館のテキスト資料だけではなく、現地調査を行ったりしながら(史料研究・フィールドワーク)、過去に何が起きて人々がどう生きたのかを明らかにします。
地理学では、人間と自然環境の関係や、地域ごとの文化・社会の特徴などを探求します。

哲学・思想・宗教学系

「生きる意味とは?」「善悪はどう判断する?」「なぜ人は神や仏を信じるのか?」といった、人が古来より考え続けてきた根源的な問いに向き合います。
様々な哲学者の思想や宗教の教えを学び、物事を論理的に深く考える力を養います。

心理学・社会学系

上記の学科は、よく「社会学部」に分類されますが、文学部でも多く取り上げられる分野です。
文学部でこれらの分野を履修する際は、人間の心の仕組みや行動について実験や調査を通じて探求したり、社会の構造や集団の振る舞いについて、データ分析やフィールドワークを通して研究したりします。人間の内面や社会の動きを多角的に理解することを目指します。

その他

大学によっては、芸術学(美術史、音楽学など)、文化人類学、図書館情報学、メディア論など、さらに多様な専門分野について学ぶことができます!

これらの専門分野に共通するのは、単に知識を覚えるだけでなく、自ら問いを立て、資料を集め、分析し、考察を深めていくという、探求のプロセスを重視している点です。少人数のゼミでの活発な議論や、4年間の学びの集大成である卒業論文の執筆などを通して、主体的に学ぶ力が鍛えられます。

学部で身につく「社会で本当に役立つ力」

「文学部は就職に不利なのでは?」という声を聞くことがありますが、これは文学部で身につく力の本当の価値が見過ごされているために生じる誤解です。
文学部で養われる能力は、特定の職業に直結する資格やスキルではないかもしれませんが、実は社会のあらゆる場面で必要とされる、普遍的で応用範囲の広い力なのです。

文学部で身につくコミュニケーションと協調性を発揮する様子

読解力と分析力

文学部の学生は、膨大な量の文章や資料を読み込みます。単に内容を理解するだけでなく、その背景にある文脈、論理構造、隠された意図までをも読み解く訓練を重ねます。
この力は、ビジネス文書や契約書、多様な情報があふれる現代社会で、物事の本質を見抜くために極めて重要です。

論理的思考力と批判的思考力

正解が一つとは限らない人文科学の問いに向き合う中で、物事を筋道立てて考える論理的思考力と、情報や主張を鵜呑みにせず多角的に吟味する批判的思考力(クリティカルシンキング)が養われます。
問題解決や意思決定において、この思考力は強力な武器となります。

的確な文章表現力とコミュニケーション能力

自分の考えや研究成果を、分かりやすく論理的に伝える文章を書く力は、文学部の学びの中心です。
また、ゼミでの発表や質疑応答、議論を通して、相手に自分の考えを効果的に伝え、建設的な対話を行うコミュニケーション能力も磨かれます。

多様な価値観への理解と共感力

文学や歴史、文化の多様性に触れることで、自分とは異なる時代や文化、考え方を持つ人々を理解し、受け入れる柔軟な姿勢が育まれます。
グローバル化が進む現代社会で、多様な人々と協働するために不可欠な力です。

情報収集力と探求心

特定の研究テーマを深く掘り下げるために、必要な情報を効率的に見つけ出し、その信頼性を判断し、整理・活用する力が身につきます。未知のことや未解明な問題に対して、「知りたい」という気持ちを持ち続け、自ら学び続ける探求心も養われます。

AI時代にこそ活きる文学部の学び

近年、AI技術が急速に発展し、情報収集やデータ分析、定型的な文章作成など、AIができることはドンドン増えています。
このような時代だからこそ、文学部で培われる「人間ならではの力」の価値が再認識されています。

AIは大量のデータを処理し、効率的に答えを出すことは得意ですが、人間の感情の機微、文化的な背景に潜む複雑な意味、そして倫理的な判断といった、数値化し辛い深い理解や共感を伴う思考は苦手としています。

文学部で養われる知性をAIに活かす

文学部で養われる、作品や史料の背後にある人間の感情や思想を読み解く力、多様な文化や価値観を理解しようとする姿勢は、AIが担う領域とは異なる、人間だからこそ可能な知的活動の根幹をなすものです。
これらの力は、AIをツールとして使いこなしつつ、人間ならではの感性や思考で新しい価値を生み出していく上で、非常に強力な武器となるでしょう。

これからまだまだAIは発達し、より日常で触れることも増えていくでしょう。ですから、私たち人間には他者との深いコミュニケーション、そして複雑な社会課題に対する多角的な視点からの洞察が求められるようになります。
文学部では、これからの時代に求められる力を磨くことができるといえます!

学部卒業生の進路

文学部卒業生のキャリアは、非常に多岐にわたります。かつては教育や出版・マスコミといった分野が多かったですが、現在はあらゆる業界で活躍しています。

文学部で培われる、思考力、分析力、表現力、コミュニケーション能力といった汎用性の高いスキルは、多くの企業や組織が新卒採用で重視するスキルです。入社後に様々なことを学び、成長していくための基礎能力として高く評価されています。

文学部で培った力を活かす、多様な業界のビジネスパーソン

出版・メディア・広告

編集者、記者、ライター、広告プランナーなど、言葉や情報を扱う仕事。

情報通信・IT

Webコンテンツ企画、ライター、広報、営業、データ分析(文系的な視点から)など、多様な職種で活躍。

メーカー・金融・商社

企画、広報、人事、営業など、幅広い部門で活躍。

教育・学習支援

教員、大学職員、塾講師など、学びをサポートする仕事。

サービス系

ホテル、旅行、交通、人材サービスなど、人と関わる仕事。

公務員

国家公務員、地方公務員、図書館司書、学芸員など、社会や文化を支える仕事。

大切なのは、「文学部で〇〇を学んだから、〇〇になる」という固定観念にとらわれず、自分が文学部でどんなことに興味を持ち、どのようなスキルを身につけたのかを理解し、それが志望する仕事でどう活かせるのかを具体的に考えることです。
文学部で培われる「考える力」があれば、どんな分野に進んでも、新しい知識やスキルを習得し、自らを成長させていくことができます!

とめ

文学部は、文学、歴史、哲学、心理学など、人間とその文化を深く探求する非常に多様な学問分野を学ぶ場所です。ここで培われるのは、物事の本質を見抜く思考力、情報を正確に読み解く力、そして自分の言葉で豊かに表現する力です。さらに、多様な文化や価値観を理解する力も身につきます。

これらの力は、特定の職業だけでなく、社会のあらゆる場面で役立つ普遍的なものです。文学部での学びは、皆さんの人間としての魅力を引き出し、将来の可能性を大きく広げてくれるでしょう!

文学部で「これからの時代を生きる力」をつける!

「知識が身につけている」ことが重要な時代は次第に変わっていくでしょう。
これからは「知識をどう活かすか」を考え、よりよい未来を実現することが重要です。

こうした現代において、文学部は、人間と文化という深いテーマを探求する、魅力的な学部です。
そこで時間をかけて培われる読解力、思考力、表現力、そして多様な価値観を理解する力は、AI時代においても、そしてどんな時代においても、皆さんが社会で力強く生きていくための揺るぎない基盤となります。

路に迷っている方へ

今回ご紹介したように、文学部は人間の深い探求を通じて、社会で役立つ多様な力を養える学部です。
とはいえ、「自分に向いているか分からない」「他の学部とも迷っている」という方も多いのではないでしょうか?

大学受験専門塾Vistudyでは、一人ひとりの志望や適性に合わせて、志望校選びから学習計画までをプロコーチがサポートします。
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